内科・外科・整形外科・大腸肛門科・炎症性腸疾患(IBD)・便秘・内視鏡検査なら大阪寝屋川の道仁病院|大腸肛門病センター

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大腸肛門病センター

大腸肛門病センター
9:00~12:00 - - - -
17:00~19:00 - - - - -
  • ただし、緊急の場合には「一般外来」にて対応可能です。
  • 土曜午後、日曜、祝日、年末年始は休診となります。

大腸肛門病センター

当外来は内科、外科の垣根なく大腸肛門疾患を診るというコンセプトの元、設立いたしました。肛門を消化管、特に大腸の終末臓器であるという観点から大腸の一部として位置づけ、「機能」に重きを置いて治療に取り組んでいます。対象大腸疾患は慢性便秘症、過敏性腸症候群、大腸切除後機能障害、便失禁(便もれ)、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎、急性腸炎、憩室症、虚血性腸炎)などです。

一方、対象肛門疾患は痔核(いぼ痔)、痔瘻(あな痔)、裂肛(きれ痔)をはじめ、肛門周囲膿瘍、肛門狭窄、膿皮症、癌、尖圭コンジローマ、肛門周囲湿疹、術後機能障害などです。ガイドラインやエビデンスに基づき、学会認定専門医の資格を持った医師がいかなる疾患に対しても根拠のある適切な対応、治療をご提供いたします。

私たちは「自分たちの行っている治療が本当に正しいのか?」、「自分たちの知識が正しいのか?」を常に考えて治療を行っています。また、これまでにたくさんの「学会発表」を行ってきましたが自己満足で終わらぬよう「論文執筆」にも努めてまいりました。(以下文中 マークは当院から発表しました論文と著書です。学会発表内容は紙面の都合上割愛いたします)。

以下に当センターでの治療の方針、概略を提示いたします。

I. 肛門疾患

肛門疾患の代表なものを簡単にご説明いたします。

A. 痔核(いぼ痔)図1参照

図1

痔核は排便が良くないと症状が露見することが多いです。発生場所によって内痔核と外痔核に分けられます。

内痔核

内痔核は痛みが少なく、出血や排便時脱出(排便で飛び出る)の症状が多いです。

内痔核の治療には大きく分けて①内服や軟膏による保存的治療、②薬剤による硬化療法(薬剤で固める)、③専用ゴム輪による痔核結紮けっさつ術(ゴムで縛る)、④根治切除術の4つがあります。

当院では以上の治療法を個々の痔核のグレード(別表)に応じ決定しております。

当院では上記治療法は全て可能です。グレードⅢ以上は再発が少ないという理由から世界的にスタンダードである根治切除術が当院の推奨術式です。
硬化療法はジオン®によるALTA療法も行っております。

内痔核の
グレード分類
 
脱出はない
脱出はあるが自然に戻る
脱出はあるが手を使って戻す
脱出が戻らない
外痔核

外痔核は痛みとしこりの症状が多く、皮下血腫塊です。突然できることが多く、排便やスポーツなどが誘因になります。
肛門外に発生しているので指で戻せません。

治療は大きさにもよりますが投薬や血栓摘出を行います。

  • ディスポーザブル痔核結紮システムによる痔核結紮術. 外科69:1008-10012、2007
  • 結紮切除術・術後疼痛に対する芍薬甘草湯のNSAIDs 上乗せ鎮痛効果-無作為割付による比較検討-.日本大腸肛門病会誌65:313-317、2012
  • 肛門疾患「痔核」. レジデントのための消化器外科診療マニュアル医学書院, 東京, 2012, p293-294
  • 肛門疾患「痔核手術」. レジデントのための消化器外科診療マニュアル医学書院, 東京, 2012, p296-297
  • 痔核、痔瘻. レジデントノート増刊 外科の基本-手術前後の患者さんを診る 14:191-195、2013
  • 外科治療を施行した嵌頓痔核の臨床的検討. 臨床肛門病学5:17-21、2013
  • 肛門手術 内痔核の手術. 研修医のための見える・わかる外科手術. 羊土社, 東京, 2015, p93-95
  • 内痔核に対するジオン® 1バイアルでのALTA単独療法の治療成績. 臨床肛門病学7:108-112、2015
  • 全身性疾患を有する肛門疾患に対する手術経験. 日本大腸肛門病会誌60:251-255、2007
  • 専門医としての宿命~抗血栓療法施行中の症例に対する肛門手術とその周術期管理. 臨床肛門病学2:31-36、2010

B. 痔瘻(あな痔)図2参照

図2

肛門腺(粘液を分泌する働き)に逆行性細菌感染が及ぶと発生すると考えられています。 肛門周囲に進展し皮膚に穴(瘻孔)をトンネル状に作り分泌物や膿が出るため大変不快な疾患です。肛門周囲に膿が溜まる「肛門周囲膿瘍」の大部分の行く末です。
当院のデータでも非高齢者の男性に多く、便性が軟便や下痢の方に多いという結果でした。手術が唯一の治療法です。

当院では触診だけでなく経肛門エコーやMRI(院外依頼)で術前にシミュレーションを行い、タイプに分けて術式を決めています。

痔瘻の基本術式は「瘻管開放術」か「瘻管くり抜き術」です。「瘻管開放術」は再発が少ないのが利点です。

一方、「瘻管くり抜き術」は肛門括約筋を可及的に温存し瘻管を切除するため術後の肛門機能を損なうことが少ないのが利点です。

症例によってはシートン(セトン)法(ゴム紐などによる経時的痔瘻結紮術)を行うこともあります。

当院では上記いずれの治療も可能ですが「瘻管くり抜き術」を積極的に行っています。

  • 裂肛性痔瘻. 日本大腸肛門病学会誌64:907-911、2011
  • 多発痔瘻の検討(IBD非合併症例). 臨床肛門病学3:84-88、2012
  • 肛門疾患「痔瘻」. レジデントのための消化器外科診療マニュアル医学書院, 東京, 2012, p295-296
  • 隅越分類ⅡH型痔瘻(肛門周囲膿瘍)の治療. 臨床肛門病学6:104-108、2014
  • 肛門手術 肛門周囲膿瘍と痔瘻の手術. 研修医のための見える・わかる外科手術. 羊土社, 東京, 2015, p96-101
  • 切開排膿を施行した直腸・肛門周囲膿瘍の臨床的検討. 臨床肛門病学8:142-145、2016

C. 裂肛(きれ痔)図3参照

図3

硬便の排便などで肛門上皮(皮膚の一部)が裂けて裂傷となったものです。専門施設の実力を表すともいわれる裂肛の治療を当院では積極的に行っています。

出血はペーパーに付着する程度ですがカミソリで切られたような激痛を伴います。
痛みは排便時から排便後しばらく、続くこともあります。

「きれ痔」とお伝えしますと安心される方が多いのですが速やかに(2~3週間以内)治療を行わないと慢性化し排便が困難となります。
多くは肛門括約筋の攣縮を伴っており肛門全体の緊張度が増し(機能的肛門狭窄)、悪循環に陥り治りません(図4)。

図4

裂肛の治療は、まずは攣縮を緩和させるために鎮痛、排便コントロール、軟膏などによる保存的治療ですが難治例や排便状態が悪い例は手術が必要です。
当院ではガイドラインに則って術前に肛門の内圧検査を行いその結果で最終的に術式(皮膚弁移動術/内肛門括約筋切開術)を決定します。

  • 裂肛の鑑別診断と最新の治療方針. 消化器外科31:319-326、2008
  • 裂肛の肛門狭窄、出血の特徴、検査法. 外科77:678-679、2015
  • 皮膚弁移動術(SSG)のアンケート調査による術後QOL. 臨床肛門病学8:136-141、2016
  • 慢性裂肛の治療―側方内肛門括約筋切開術を中心に. 手術 臨時増刊号75:2021

D. 直腸脱

高齢の女性に多い疾患です。肛門疾患というよりはむしろ骨盤疾患です。
便、尿の排泄時に怒責(きばる、いきむ)癖がある方に発生しやすいようです。骨盤底筋、肛門括約筋が弱いため直腸が口側から飛び出て来る疾患で脱出時特徴ある肛門に変化します。

診察時に脱出を確認できない場合には排便造影検査を行い脱出の確認をします。

時として子宮脱や膀胱脱を合併することがあります。

治療は手術しかなく、肛門から行う場合と腹部から行う(腹腔鏡下に吊り上げる)場合があります。
検査結果や脱出長でどちらを行うのかを決定します。

  • 完全直腸脱、不完全直腸脱に対するDelorme手術. 日本女性骨盤底学会会誌3:3-7、2006
  • 完全直腸脱に対するDelorme手術. 外科70:1505-1510、2008
  • 完全直腸脱に対する開腹下stapling rectopexyの治療経験. 日臨外会誌68:2565-2570、2007
  • 肛門疾患「直腸脱」. レジデントのための消化器外科診療マニュアル医学書院, 東京, 2012, p298-299

E. 肛門狭窄

ここでの肛門狭窄は器質的狭窄を指します。過去に手術歴があるものが多いです。患者さんの多くは排便困難を感じ、下剤で便を軟らかく自己コントロールされています。
便は細く、1回で出せないので回数が多くなります。
楽に排便できるよう手術で肛門径を広げるため皮弁形成術を行います。

  • 全周性肛門狭窄にたいする後方肛門形成術. 日本大腸肛門病会誌62:127-128、2009
  • 肛門狭窄. 別冊日本臨床新領域別症候群シリーズNo.12消化管症候群(第二版)下.日本臨床, 大阪, 2009, p815-817

F. 膿皮症

慢性膿皮症は皮膚のアポクリン腺の感染で起こります。アポクリン腺が発達する思春期頃から発生し皮膚にたくさんの穴(瘻孔)が開き分泌物や膿が流出します。

下着はもちろんですが便器の便座が膿で汚れるほど重症であるのに長期間(何十年)放置されていることも珍しくありません。

皮膚の感染症ではありますが抗生剤投与はさほど効果が見られません。外科的切開開放術や膿皮切除を行います。

当院のデータでは30%に痔瘻の合併を認め、30%に再燃を認め、30%は予定外の追加手術が必要でした。

最近、生物学的製剤の使用が保険適応となりました。

  • 臀部膿皮症(慢性化膿性汗腺炎)18例の検討. 日本大腸肛門病会誌57:267-272、2004
  • 臀部慢性膿皮症の外科治療. 臨床肛門病学5:110-114、2013

G. 尖圭コンジローマ

ヒトパピローマウィルス感染による疣贅(ゆうぜい)で性行為感染症の一つです。
自覚症状は肛門周囲の疣贅触知、かゆみ、出血などです。

感染経路で最も多いのは男性間性交渉です。その他、温水便座洗浄機使用や大衆浴場で感染することもあるようです。
女性の場合には腟内に発生することもあります。

治療は肛門外病変だけなら保険適応のある専用外用薬塗布、肛門内病変を伴っている場合には入院手術が必要です。
HIVなどの性行為感染症の有無を調べる必要があります。

治療は切除、焼灼ですが再燃も少なくありません。すでにHIV感染症に対する治療を行っている方でも治療いたしますのでご安心ください。

  • 尖圭コンジローマ充満痔瘻の1例. 日本大腸肛門病学会誌64:93-96、2011
  • 直腸・肛門の性感染症. 別冊日本臨床領域別症候群シリーズNo.10消化管症候群(第3版)Ⅱ.日本臨床, 大阪, 2020, p275-278

肛門の手術は「痛くて転げ回る。」、「手術したら垂れ流しになる。」などという風評がありますがそのようなことは決してありません。

私たちはこれまでに20,000例以上の診察、6,000例以上の手術をさせていただきました。

肛門疾患の治療には「良い排便」が必須であるので肛門の治療と同時に排便のコントロールを行うのが基本方針です。

特に術後早期の鎮痛、排便管理、食事指導には重きを置いております。症例によっては術前から排便コントロールを行います。

Ⅱ. 慢性便秘症

慢性便秘症診療ガイドラインでは便秘とは「本来体外へ排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」。と定義されています。例えば「3日に1回の排便で苦しい」、「軟便が毎日出てもすっきりしない」などが症状です。

慢性便秘症には大きく分けて結腸型(大腸型)と直腸肛門型があります。

水道に例えますと結腸型は「水道管」、直腸肛門型は「蛇口」の故障にあたります。

水が出にくいのは「水道管」の問題なのか「蛇口」の問題なのか、すなわち大腸の問題なのか直腸肛門の問題なのかによって治療法が異なってきます。

しかし、原因を無視した単なる刺激性下剤(センナ、大黄、アロエ、キャンドルブッシュなどを含有*)の投与で済まされているのをよく見かけます。

このような薬剤は長期に使用し続けると腸管粘膜の神経に障害を来たし、感覚鈍麻となり生理的蠕動が起こらなくなります。依存性が強く一種の中毒症状を来たす場合もあります。ある種の健康食品やお茶、漢方にも含まれているので注意が必要です。元に戻すには長期間かかることも珍しくありません。

世間一般では「便が出ない」と言えば即「下剤」などと簡単に済むように思われがちですが実際はそうではありません。生活習慣、排便習慣から見直さなければならない事もあります。

慢性便秘症全般的に言えることですが他疾患に対する内服薬、全身疾患(糖尿病、膠原病)、手術歴(胃、腸、胆嚢、子宮)、偏った日々の食事、歯牙不良、嗜好品(アルコール、コーヒー)などが影響します。

また巷でインターネット内や折り込みチラシに誤った知識が氾濫し通販などで簡単に下剤や洗腸キットが手に入ることは便利になったとはいえあまり好ましくないと考えております。
弱みに付け込んだ便秘商法にも注意しなければなりません。

  • 排便障害. 最新 消化器看護18:23-27、2013
  • ガイドラインに則った慢性便秘症の対応. Gノート3:489-495、2020

A. 結腸型慢性便秘症(「水道管の問題」)

巷で言われている便秘症にあたります。癌やポリープに代表される腫瘍性疾患を始め、クローン病、潰瘍性大腸炎、感染症などの炎症性腸疾患や最近注目の過敏性腸症候群*が原因です。大腸内視鏡検査でこのような疾患が認めた方は疾患に応じた治療を、上記疾患が除外できた方は慢性便秘症に対する治療を開始します。

*過敏性腸症候群:ストレスなどで便形態が容易に変化する機能性の現代病です。大きくは便秘型、下痢型、混合型、分類不能型に分類されます。性格的にデリケートな方に起こりやすいです。ストレスは思い当たらずとも何かしろ些細な影響を受けていることが多いです。なお便失禁を伴うこともあります。

B. 直腸肛門型慢性便秘症(「蛇口の問題」)

便は直腸まで来るがそこから「出せない状態」です。ガイドラインでは「便排出障害」と記されています。原因には次のような疾患があります。

  1. 直腸癌、大きなポリープ
    疾患に応じた治療を行います。
  2. 直腸脱
    肛門疾患の項を参照ください。
  3. 図5

    直腸重積(図5参照)
    直腸が陥入するほど過度に息んでも便が出せない状態。直腸脱の始まりともいわれ、不顕性直腸脱とも言います。排便はできますが残便感が強く粘液の漏出が見られたりします。診断には排便造影検査が必須です。治療は程度によりますが全身麻酔で経腹的に直腸固定術を行います。
    • Dynamic defecographyで確診した不顕性直腸脱の1例. 日消外会誌34:1471-1474、2001
    • 直腸重積の治療経験. 日外科連会誌29:222-225、2004
    • 遡及的観察によって直腸重積から移行したと考えられる完全直腸脱の一例. 日外科連会誌30:775-779、2005
    • 直腸固定術で治癒した直腸重積を伴うMucosal Prolapse Syndrome(MPS)の1例. 日本大腸肛門病会誌70:172-1761、2017
  4. 図6

    直腸瘤(別名直腸腟壁弛緩症)(図6参照)
    直腸と腟の壁が薄く排便のいきみで腟側に直腸がポケット状に突出し便がはまり込み、出せない状態を呈します。ポケットの大きさ測定は重要で排便造影検査が必須です。ある種の臓器脱とも考えられています。子宮摘出の既往のある人に多いのが特徴です。当然、男性には少ない疾患です。保存的加療に奏功しない場合には手術を行います。
    • Rectoceleの大きさと手術適応. 日本大腸肛門病会誌55:47-51、2002
    • Rectoceleに対する治療成績-Prospective study- (大きさと手術適応第2報). 日本大腸肛門病会誌58:266-271、2005
    • 直腸瘤. 別冊日本臨床新領域別症候群シリーズNo.12消化管症候群(第二版)下.日本臨床, 大阪, 2009, p444-446
  5. 図7

    恥骨直腸筋奇異性収縮(図7参照)
    一般的には馴染みのない原因不明の疾患です。肛門括約筋の一つである恥骨直腸筋が本来、排便時に緩まなければならないのが逆に(奇異性に)収縮し、思うように出せない疾患。骨盤底筋協調運動障害の一つです。下剤で便を軟らかくしても排便困難が改善せず残便感が取れません。理学療法(リハビリ)で排便トレーニングを行うのが治療の第一選択です。
  6. 直腸切除後症候群
    癌などで直腸の手術を受けた(人工肛門にはならなかった)が排便で困る病態。本来、執刀医が術前に話をすべき後障害です。「肛門括約筋を残したのになぜ?」と首をかしげる方も少なくありません。残念ですが「決して元には戻らない。」ことを理解する必要があります。吻合部(繋いだ部位)が出口の肛門に近ければ近いほど症状が重くなります。肛門括約筋機能(肛門のしまり)が正常であっても出現します。症状としては「便やガスが漏れる」、「便とガスの区別がつきにくい」、「排便回数は多いが量が少ない」、「突然、排便が出ない日がある」、「排便したのに1時間も経たないうちに便意を催しトイレに駆け込む」、「残便感がある」などです。病態を理解していないと下剤を投薬されてしまいかえって症状が悪化します。一時的人工肛門を造設している方は人工肛門閉鎖後にこの症状で困ることが多いです。当院では以前からこの疾患の重要性を唱えておりましたが最近になって多くの大腸外科医が興味をもつところとなりました。治療は内服治療が第一選択です。
    • 下部直腸癌にたいする肛門腹式直腸切除術、経肛門側端(経肛門Baker)吻合の術後長期成績とQOL. 日本大腸肛門病会誌61:235-239、2008
  7. その他
    腹圧低下、直腸感覚低下、直腸収縮力低下などがあります。
  • 1、2、3は手術が必要なことが多い疾患ですが4から7はまず内服治療や理学療法を行います。

Ⅲ. 便失禁(便もれ)

便失禁とは「無意識、自分の意思に反して肛門から便が漏れる症状」とガイドラインでは定義されています。
加齢、閉経、出産(難産、巨大児出産)、食生活、外傷、手術歴などのさまざまな原因が絡み合って起こります。

初産婦の10人に1人は重篤な括約筋断裂が起こっているといわれており、その90%は皮膚の下で起こっているため出産時に発見されることはありません。
よって隠れ患者が多く、出産後数十年も経ってから症状が出ることも珍しくありません。

どのような便が、どれくらいの頻度で漏れるのかを点数化し重症度を判定できます。
内視鏡検査、経肛門エコー、肛門内圧検査、排便造影検査などを行って詳細に検索し、治療方針を決定します。

完治は難しいですが生活の質を上げることを目標にします。
内服などの保存的治療が奏功しない場合には仙骨刺激療法(骨盤内ペースメーカー埋め込み)や人工肛門造設術が必要です。

  • 直腸肛門性排便障害の治療. 臨床肛門病学1:31-36、2009

専門的検査

  1. 図8

    経肛門エコー検査
    特注のエコープローベを用い肛門周囲の括約筋の状態や病変を診断するのに使用します。検査時間は約5分です。当日、説明を行います(図8)。
  2. 図9

    直腸肛門内圧検査
    圧センサーを有すカテーテルで肛門の圧力や腹圧/肛門圧のバランスを見ます。検査時間は約15分です。当日、説明を行います(図9)。
  3. 直腸感覚検査
    直腸内に萎んだ風船を入れ空気で風船を膨らませて判定します。検査時間は約5分です。当日、説明を行います。
  4. 図10

    排便造影検査
    直腸内にバリウム、水、小麦粉を混ぜて作成した疑似便を注入し、透視下に排泄していただき形態異常や動態異常から便排出障害を診断します。X線透視機が必要なため検査できる施設が限定されます。検査時間は約10分です。当日、説明を行います(図10)。

院長からのメッセージ

川下の問題は川上に原因があると、お考えください。
便秘が特の誘発原因になることはよく知られた事実であり、切れ痔と思っていたのが大腸ガン性出血であったケースがあるように、つまり、肛門は大腸の末端器官であり、消化管の終末臓器なのです。
『健全な肛門は、健全な大腸に宿る』
私は、肛門外科を消化器外科、特に大腸外科であるという観点で捉え、肛門科ではなく「大腸肛門科」を標榜して、専門的治療に取り組んでいます。
これまでの6,000例以上の手術経験と確証的な医学的理論に基づき、いかなる肛門疾患に対しても根拠のある適切な対応と治療を大腸肛門病専門医としてご提供いたします。
肛門疾患は誰でも一度は病んだことのある疾患で決して珍しくはありません。
その大部分は手術しないで保存的に治療が可能です。
毎日クヨクヨ悩まず1回3分の診察を受けてスッキリしましょう。
「おしり」のこと、「おつうじ」のことでお悩みの方は遠慮なくご相談ください。
当院は「保険診療」ですので、安心してご来院ください。

医療法人 道仁会 道仁病院 院長
宮﨑道彦

Profile

  • 院長 宮﨑道彦 1965年生まれ

    略歴
    1990年
    関西医科大学卒業、大阪大学・第二外科(現消化器外科)入局
    1990年~1993年
    国立大阪病院・外科、(現大阪医療センター)
    1993年~1994年
    市立川西病院・外科
    1994年~1995年
    国立大阪病院・麻酔科、(現大阪医療センター)
    1995年~1999年
    大阪大学・第二外科(現消化器外科)
    1999年~2003年
    九州・福岡高野病院(大腸肛門病専門病院)・外科
    2003年~2005年
    洛和会音羽病院・大腸肛門科
    2005年~2007年
    大阪医療センター・外科(大腸肛門疾患担当)
    2008年~
    医療法人道仁会道仁病院 院長
    取得専門医

    日本外科学会、日本消化器外科学会、日本大腸肛門病学会、日本消化器内視鏡学会、日本消化管学会、麻酔標榜医

    取得指導医

    日本外科学会、日本消化器外科学会、日本大腸肛門病学会

    その他

    日本大腸肛門病学会評議員、日本臨床外科学会評議員、日本消化管学会代議員、日本大腸肛門病学会邦文誌編集委員(2012~2020)、肛門疾患ガイドライン作成委員(第一版、第二版)、近畿肛門疾患懇談会世話人、大阪府難病指定医、大阪府身体障害者指定医師(ぼうこう又は直腸機能障害)、小児特定疾病指定医、Best Doctors ®(2016-2017、2018-2019、2020-2021)

    その他

    日本外科学会、日本消化器外科学会、日本大腸肛門病学会、日本消化管学会、日本内視鏡外科学会、日本消化器内視鏡学会、日本癌学会、日本癌治療学会、日本女性骨盤底医学会、日本エイズ学会、骨盤機能温存研究会、大腸肛門機能障害研究会

  • 医師 山田真美 1978年生まれ

    略歴
    2004年
    愛媛大学医学部卒
    2004年~2005年
    神戸大学医学部付属病院
    2005年~2006年
    日本生命済生会 日本生命病院
    2006年~2009年
    大阪医療センター・外科
    2009年~2012年
    市立池田病院・外科
    2012年~2013年
    札幌道都病院・外科 医長
    2014年~
    現職
    取得専門医

    日本外科学会、日本大腸肛門病学会