内科・外科・整形外科・大腸肛門科・炎症性腸疾患(IBD)・便秘・内視鏡検査なら大阪寝屋川の道仁病院|執筆論文解説46 慢性便秘症の直腸重積を伴う粘膜脱症候群(MPS)|院長ブログ

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病院長ブログ

2024.06.08

執筆論文解説46 慢性便秘症の直腸重積を伴う粘膜脱症候群(MPS)

 

 直腸粘膜脱症候群MPSは孤立性直腸潰瘍症候群ともいわれ大腸内視鏡検査をしていますと時に遭遇します(非脱出性)。また、肛門の専門外来をしていても脱出性のMPSによく遭遇します。本疾患は直腸重積とも関係があるともいわれていますが実際にその関係を強く疑わせる20代男性の症例に出会いました。

 主訴は下血、粘液付着、便意頻回でした。他院で大腸内視鏡は施行されていましたのでまず、Fig. 1に示す様に排便造影検査を行い肛門管に達する直腸重積を確認、次いでFig2.に示す様に大腸内視鏡で実物を目視しました。直腸重積の治療法の一つは腹腔鏡下直腸固定術であり、本症例に施行したところ1年後にMPSが治癒した(Fig. 3)という経験を論文化、投稿したものです。

 この領域の専門医になるまではMPSについては不思議でよく分かっていませんでしたが病態を理解できる域に達しました。こういったことがこの領域の面白さの一つであると思っています。