内科・外科・整形外科・大腸肛門科・炎症性腸疾患(IBD)・便秘・内視鏡検査なら大阪寝屋川の道仁病院|執筆論文解説30 痔瘻が多発|院長ブログ

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病院長ブログ

2023.07.29

執筆論文解説30 痔瘻が多発

 

本論文は投稿論文です。多くは複雑痔瘻の診断でご紹介頂きますが痔瘻で二次口(皮膚に穴)が多発していると色々な事を考えなければなりません。一つの病変であるのか、痔瘻に膿皮症を合併しているのか、多発なのか、 クローン病などの炎症性腸疾患(IBD)を合併しているのか、などです。特に初診でそれを判断するのはかなり 難しくエコーやMRIなどの補助診断が必要でしょう。上の図で術前と術後で診断が異なっているところが注目すべき点です。今回はこの多発痔瘻に焦点を当てました。「原発口(一次口)が複数あるものを多発痔瘻」と定義し、手術症例を後ろ向きに調査しました。

 対象はIBDの合併の無い20例(全痔瘻中5.7%)でした。1例のみ女性です。頻度的には少ないですが決して無視できない数字です。痔瘻の本数は2本が85%、3本が15%でした。転帰としては残念ですが1例に再発しました。

 以前にも書きましたが痔瘻の大部分は肛門腺という器官の感染で起こります。肛門腺は一体当たり1-6個あると言われ極端に言いますと6多発痔瘻もあり得るのです。