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大腸肛門科
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排便障害(便秘症、排便困難症、便失禁)

排便障害の代表は「便が出ない」、いわゆる便秘症ですが「便が出ていても」排便障害である場合がありますのでご注意下さい。例えば「1日に排便は3回あるがどうもすっきりしない」などです。
排便障害には大きく分けて結腸型(大腸型)と直腸肛門型があります。例えば水道に例えますと結腸型は「水道管」、直腸肛門型は「蛇口」にあたります。水が出にくいのは「水道管」の問題なのか「蛇口」の問題なのか、すなわち大腸の問題なのか直腸肛門の問題なのかによって治療法が異なってきます。

排便障害解説図 しかし、多くの医療施設ではこれらの原因を無視した単なる下剤(センナ系、漢方系薬剤*)の投与で済まされているのが現状です。センナ系、漢方系の薬剤は、最初は良いのですが耐性があるためそのうち効かなくなり挙句の果てに腸が動かなくなることもありますのでご注意下さい。(*プルセニド、ヨーデル、センナシド、スルーラックなど)


A. 結腸型排便障害「水道管の問題」

いわゆる便秘症がこれにあたります。癌やポリープに代表される腫瘍性疾患の他、クローン病、潰瘍性大腸炎、感染症などの炎症性腸疾患や最近話題の過敏性腸症候群が原因のことがありますのでこのような方は一度大腸の精査をお勧めします。上記疾患が除外できれば内服治療を開始します。

B. 直腸肛門型排便障害「蛇口の問題」

便は直腸まで来るがそこから「出せない状態」や「出っ放しの状態」です。原因には次のような疾患があります。

  • 直腸癌、ポリープ
  • 直腸脱:肛門から直腸が脱出する病気。多くは便失禁を伴っていることが多い。
  • 直腸重積(下2参照):過度のいきみで直腸が陥入し便が出せない状態。
  • 直腸瘤(ちょくちょうりゅう)(別名直腸膣壁弛緩症) (下3参照):直腸と膣の壁が薄く排便のいきみで膣側に直腸が突出し便を出せない状態。子宮摘出の既往のある人に多い。
  • 恥骨直腸筋奇異性収縮(下4参照):肛門括約筋の一つである恥骨直腸筋が排便時に本来、緩まなければならないのが緩まない状態。
  • 直腸癌術後症候群:直腸癌の手術を受けた(人工肛門にはならなかった)が便の排出で困る
    (「排便回数は多いが量が少ない」「便とガスの区別がつきにくい」「残便感がある」などの症状)状態。
  • 便失禁:年齢、お産、外傷、手術などが原因で便が漏れてしまう(下着を汚してしまう)状態。お産後何年も経ってから症状が出ることも多い。

12は手術が必要なことが多い疾患ですが3から7はまず保存的に内服治療が原則です。ただし排便障害全般的に言えることですが治療には長期間かかることが多く即効性、短期決戦は無理なことが多い疾患です。(中には短期で治るものもありますが。)世間一般では「便が出ない」と言えば即「下剤」と簡単に済むように思われがちですが実際はそうではありません。
巷でインターネットや通販などで簡単に下剤や洗腸療法キットが手に入ることができることはあまり好ましくないことです。この機会に是非、専門医を受診されてみてはいかがでしょうか。
他院からのセカンドオピニオン、他院へのセカンドオピニオンは大歓迎ですので遠慮なくお申し出下さい。

直腸肛門型排便障害解説図

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